神戸市中央市民病院機構審査(外郭団体に関する特別委員会 2023年12月15日)
アイセンター病院のiPS細胞の網膜の再生医療の実用化が間近!
iPS細胞由来凝集紐移植50例!
先進医療Bの申請準備中!!!
○(平野達司)
損益計算書では、令和4年度48億の黒字。コロナの支援金の影響で、令和5年度の予算で33億円の赤字。長期目線で病院経営の理事長のお考えは?
○橋本地方独立行政法人神戸市民病院機構理事長
市民病院機構は、令和2年3月のコロナ発生以来、神戸市の約3割のコロナ患者を、市民病院機構で受け入れてきた。神戸市と密接に連携しなるべく多くの患者さんを受け入れるように努力してきた。
しかし、本年5月から5類に移行し、各病院はまだ、依然コロナに罹患した患者が一定数入っている。感染対策に注意しながら病院機能を維持、しかし国・市の補助金が、徐々に減額されている。
一般診療を維持し、補助金が徐々に減額される中で、通常の医療の患者は、元には戻っていない。この状況で、今年度は赤字になる。
我々市民病院機構は、市民の生命と健康を守る使命を果たすために、高度な医療を提供する責務を負い、高度医療を長期的かつ安定的に提供する体制を維持し、病院の収支を改善する必要がある。各病院には、来年4月に向け経営改善を具体的にどのように進めるかという目標を、早急に立てるように指示をしている。
医師の働き方改革の影響は大きく、改革を進めながら、現在の医療水準を維持、さらに向上していくかは、地域医療体制の維持からも大変重要、医師など医療従事者が市民病院機構で働きたいという病院を維持、向上していきたい。
10年、20年後の神戸の医療提供体制も視野に入れて、環境の変化に柔軟に対応し、また大胆に改革を行って、我々市民病院機構が地域医療の核として、これまで以上の役割を果たし続けることができるように、各病院長とともに決意を新たにして、邁進していきたい。
○(平野達司)
中央市民病院、西市民、西神戸の中核となる病院と、地域医療のそれぞれの病院との役割分担と情報連携が重要と考えるが、コロナ禍で、市民の皆様が、病院を少し敬遠する感覚が生じているのではないか?それにより必要な医療を受けることができていない方も若干いるのではないか。
実際に、コロナ患者を積極的に受け入れ、コロナ前に比べると、外来患者が今、1割程度減ってきているのは、その表れではないか。
地域医療の核としても、地域医療の病院と役割分担を明確にし、市民が最適な医療が受けられるように努めていただきたいがいかがか?
○木原地方独立行政法人神戸市民病院機構理事兼法人本部長
病院に対して受診しにくいお気持ちを持っておられる市民の方々が増えているという可能性に関しては、否定ができない。実際に現場の意見でも、もう少し早く来てくれたら何とかなったのにと、少し手遅れになった患者が、以前に比べて多い。
現在の受診状況は令和元年の45万人の外来患者が、今41万人ぐらい。10%程度の減少。
患者の実態は、外来受診される患者の診療単価は1日一人当たりの外来費用に令和元年で2万4,000円、現在では2万9,000円。20%上がっています。
外来にお越しになる患者が、より高い医療、複雑な医療を求め集約されてきている。
病院の機能分担は、高度先端医療を届ける病院の役割を、地域の先生方、市民の方々が理解されて、より複雑な疾病に対して我々の病院に受診をされる傾向が強くなってきている。
市当局あるいは我々との協働体制、医師会、地域の先生方との協働体制を、さらに我々も積極的に強化し、我々の機能を理解いただき、医療の機能分担を、さらに進めていくことが、十分に準備はできているのではないか。より積極的に、解決に向かって努力をしていきたい
○(平野達司)
アイセンター病院のiPS細胞の網膜の再生医療が臨床研究が進められており、一部実用化が視野に入ってきている、実用化のあかつきには、世界中から高い関心が寄せられてくる。積極的に世界に対しても発信すべきだ。神戸空港国際化も合わせて国際医療ツーリズムを含めて、世界中の患者に新たな医療を提供することが、世界に認められる1つになるのではないか?ひいては市民の医療水準の向上にもつながる。ただ、アイセンター病院での市民に対する医療提供の影響がないことが大前提ではあるが展望は?
○栗本地方独立行政法人神戸市民病院機構理事兼神戸アイセンター病院院長
神戸アイセンターで行っているiPS治療は、臨床研究を重ねており、当初は安全性の確認で、iPS細胞治療は日本初、世界初の技術、世界中がその安全性で注目。安全性を自分の患者さんの細胞、他人の細胞、あるいは網膜の視細胞、色素上皮等、段階を追って進めており、いよいよ実用化で、国と先進医療での実施ということで進めている。
神戸市をはじめ日本の患者のためにやっているが、国内はもとより世界的にも、この医療技術を提供できる施設は当院しかございません。
海外の患者で失明の危機に瀕している患者さんの治療希望があれば、受け入れていくことは、当院としても、母体である神戸市としても、必要なことではないかなと考えています。
臨床研究であっても患者にとっては治療、標準医療を非常に高いクオリティーで安定して供給できるという体制が絶対に必要だと思っている。地域医療の中核病院であると同時に、このiPS細胞、先端医療を提供する体制が必要。
最新の医療を行うということがフィードバックして、標準医療の質を上げることになり、人員体制、医療機器に関しても、保険診療だけでは最新の医療機器を買うのは非常に困難。臨床研究の研究費を使い最新の機器を買い、それを市民の医療に使う非常にいい好循環が生まれます。
どれぐらいの患者を海外から受け入れるのかによりますが、市民への標準医療の提供が最重要体制は崩すつもりもありませんし、崩れることはない。
○理事(平野達司)
アイセンターの価値が、神戸市の医療産業都市の価値にもつながる。海外患者を受け入れる可能性も医療ツーリズムの実績にもつながる。広く世界に知らしめることができる。ぜひ、引き続きお願い申し上げます。
2点、要望
1点目は、中央市民病院のコロナ患者の専用の病棟。建築基準法の関係で、いずれ撤去が必要だが、将来の医療体制では、感染症対策も大変重要、臨時病棟は陰圧ができたりというメリットだと思っておりますので、今後の新興感染症の備えの必要な対策もしっかり検討いただきたい。
2点目の要望については、医療コンテナモジュール。広域の災害時にDMATの医療拠点や、また感染症の医療対策のタイミングで使われたり、大規模なイベントの時の災害対応に使われたり、医療コンテナの活用は、大変役に立つ。
コンテナ利用の緊急時医療施設国会議員連盟で、運用方法について積極的に議論をされており、実証実験もされています。11月18日も、カーフェリーの六甲で、第3突堤にて船の中に、医療コンテナモジュールをトラックの形で持ち込んで、実証実験されています。
今、医療コンテナの活用推進事業として、令和5年度の補正予算にも、どうも出ているので、ぜひ神戸市として、中央市民病院機構としても、情報収集をしていただいて、動きがあったときに、神戸市もひとつ担っていただきたい。内容について注視いただきたい
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