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2022-10-21

決算特別委員会(建築住宅局 第一分科会)2022年10月4日

建築住宅局への質疑は、以下5点質疑させていただきました。

①住み替え支援制度の見直し(所得制限の撤廃等)とその効果検証について

②各局各区との連携(こうべくらし等)について

③空き家空き地対策について

④空き家活用による若者の呼び込み及び支援について

⑤地域活動する方の活動拠点について

(平野達司)
①住み替え支援制度の見直しについて

 近隣の西宮市や明石市において、市外からの転入増加。 これはライフサイクルイベント、結婚・出産・入園・入学に合わせて、駅前の再開発によって手頃な価格帯の良質な住宅が大量に供給されたことも要因の1つだと考えています。
  神戸では三宮の市街地に加えて、それぞれの各区で主要な駅を中心に再開発を展開しているが、それによりさらにまちの魅力を向上することで、積極的な移住施策を展開することが、今後本当に大切だ。その中で、住み替え支援制度を持続可能な制度として再構築する中で、所得要件を撤廃した当局のその目的は?

○根岸建築住宅局長
 都心・三宮の再整備、駅前空間のリノベーション、積極的なエリアの価値向上の取組に合わせて、住みたくなるまち、住み続けたくなる住環境の魅力を高めていくことが、移住施策において非常に重要。
  令和4年度の住み替え支援制度は、限られた財源で移住促進効果を最大化するために、子育て応援賃貸住宅制度として、戦略的な移住促進と、郊外にある空き家活用の観点から住み替え先を絞り込み、こうべ移住型、団地活用型の2つのメニューを創設し、所得要件の撤廃、年齢制限の緩和を行うなど、持続可能な補助制度としての再構築を図ってきた。
 所得要件の撤廃は、これまでの賃貸住宅への住み替え補助金は、結婚に伴う経済的支援の趣旨が強い内閣府の結婚新生活支援事業を活用しており、新婚要件、年齢要件、所得要件が少し厳しい状態であった。市外転入促進の観点では、施策対象である若年夫婦、子育て世帯をカバーし切れていない側面があった。
 令和4年度の制度改正は、若年夫婦、子育て世帯の移住を切れ目なく応援する趣旨で、新婚要件、所得要件の撤廃、制限年齢の緩和を行った。

(平野達司)
 制度の効果検証と分析を十分に行い効果的な制度になるよう、持続可能な制度として続けないといけないその制度設計の見直しの効果について、所得要件の撤廃の効果も含めて、建築住宅局としてどのように分析されているのか

○根岸建築住宅局長
制度の効果検証、分析を継続することで、施策対象を明確化し、より効果的な制度へとブラッシュアップを図るのは、非常に大事。より効果的で使いやすい制度にするため、制度利用世帯へのアンケート、申請情報を基に、分析等を行ってきたところ。
  子育て応援賃貸住宅住み替え補助制度の見直しの効果は、本年6月からスタートしたところで、8月末時点での利用実績を比較すると、全市を対象としていた令和3年度の市外からの転入の実績と比べ、市外からの転入実績は若干上回っている。これは所得制限を超える方を含めたことも、一定の効果がこの中に含まれている。
この状況は今後も分析が必要であるが、若年夫婦、子育て世帯の移住を切れ目なく応援するための、新婚要件・所得要件の撤廃、年齢制限の緩和が効いたと思っており、より多くの世帯が補助制度を活用しやすくなったと思っている。
  子育て応援賃貸住宅住み替え補助制度では、昨年度の市外転入実績を上回る件数の予算件数を、今確保している。昨年の市外からの実績よりも多くの予算件数を今確保しているところ。今後もその転入促進効果が発揮できるようPRするとともに、継続的に分析、検証、評価を行い、効果的な制度となるよう、引き続きブラッシュアップを図っていきたい。



(平野達司)
  資料を拝見させていただきましたが、幅が広がってきている一定の効果が出始めていると感じている。今回のその実績も増加してきているので、定住と移住施策という形では大変寄与していると思っています。神戸のまちを居住地として選んでいただくのに、住み替え支援において、子育て支援、教育、様々な施策と連動していかないと、建築住宅局単体ではやっぱり難しいと思っていますので神戸市全体で取り組んでいただく必要があると思います。
  それに加えて、それぞれの区の特徴を交えて、兵庫区だったら子供の創造的な学びを、公園であったり図書館であったり、歴史遺産などを活用して、発想豊かな取組を実施しています。こういった事柄と活動を連携することにより、多様な神戸の魅力と人口減少の対策で、マッチさせて展開できるのではないか
  建築住宅局として転入・定住を促進するために、今後どのような展開を考えているのか、展望は?

○根岸建築住宅局長 

神戸のまちを居住地として選択していただくに当たって、子育て支援、教育環境、安全・安心な生活環境などの全市的な施策と住み替え支援を連動させながら取り組むことで、神戸での暮らしの質を高めることが重要。
 移住を検討する方に、まちの多様な魅力や住まい方を生活者目線で紹介する移住ポータルサイト「こうべぐらし」、子育て応援ポータルサイト「子育てするなら神戸!100の理由」とも連携をして、住み替え支援が神戸移住の後押しとなるような様々なアプローチで情報発信を行っている。兵庫区こどもプロジェクトなど、各区の取組についても今後連携を深めていきたいというふう。
  建築住宅局としましては、駅前のリノベーション、子育て支援など、地域特性に応じたまちの魅力を向上させる取組と連動した、住みたくなる、住み続けたくなるような住環境の魅力向上に取り組んでいきたいというふうに考えております。
  我々としましては、具体的には既存住宅ストックを活用した、住み替え応援による子育てしやすい良質な賃貸住宅や中古住宅の流通促進に取り組むとともに、UR都市機構ですとか住環境整備公社とも連携した公的賃貸住宅の魅力アップなどにも取り組んでいきたいというふうに考えております。
 

(平野達司) 
  この住み替え支援制度で、実際に御利用いただいた方で、神戸から転出超過になっている明石市と西宮市の2つの市からこの制度を利用し神戸に移住された件数が、西宮で32件、明石で19件ある。もう既に移住された方はなかなか直接確認することが難しいが、今後2市からの転入の方々については、できればアプローチができれば、PRの対象にしていただきたい

(平野達司) 
空家空地の対策について
人口減少対策として、使える空き家を放置する形ではなく、戦略的に計画的に活用することが大切だ、そのために使える空き家をタイムリーに神戸市として把握する仕組みが大変重要だ。
  空き家の予備軍も把握しておけば、今後対応が取れる電力データの取得という施策もあると聞いているが、地域との連携が必要だと思っており、例えば、地域の自治会だったり民生児童委員、それから青少協、PTA、消防団、皆さんで組織されている防災福祉コミュニティ、防コミの皆さんは、日頃から自分たちのまちを歩いて点検をされています。避難訓練のときも、それぞれどこの方からこっちに避難してくださいねと、それぞれのエリア単位での避難ルートの確認されているので、その意味では、その空き家の状況というのも、本当に近所の皆さんって全て把握されている。
  この情報を防コミと建築住宅局が一緒になって情報共有することで、リアルタイムな空き家の把握が可能になるんではないか

○根岸建築住宅局長 空き家対策につきましては、基本方針におきまして、使える空き家については売却や賃貸、地域利用などの活用を促すと定めており、固定資産税の納付通知書への同封チラシ、インターネット活用した広報を行ってきた。令和3年度には、固定資産税情報を活用したピンポイント啓発を実施しております。
  また、空き家の調査も大事。兵庫区や長田区では、過去に外観目視の悉皆調査が行われたが、一定年数経過しているところもあり、今年度は電力データを活用した取組をできないかということで、今電力使用量、使用頻度から、使える空き家を絞り込めないかというようなことをやっておるところ。
 一方で、防コミなどの地域団体における空き家調査についての活用は、特にリアルタイムな空き家情報をお持ちでございますし、将来空き家に対する可能性が高い、高齢・単身で住まれているような空き家予備軍の把握も期待ができると思っている。
  一方で、地域団体の方の注力されている課題は、多分地域によっていろいろおあり、すぐに全市で展開は少し難しいと思っておりますが、地域で空き家を課題と捉えていただいていて、まち歩きで空き家を調査している熱心な地域もございますし、我々もお付き合いもございます。
  そのような地域とは、今後もどのように地域の空き家情報を共有・活用できるか、対策をやっていけるかということについては共に考えさせていただきたい。

(平野達司) 
  確かに地域によってその動き方は皆さん違ってきてますし、特に今、コロナ禍なので防コミさんもなかなか動けてないところもあると思いますので、実際に動けているところはかなり詳細に把握をされていますので、ぜひ連携いただきたい。
 空き家の活用で、若年層の方を呼び込む観点でも、空き家住宅以外に活用する方法もあると思っていますが、1つ事例ですが、兵庫区の平野商店街で、26歳の方が、空き家、空き店舗を自らひとりでDIYされ、できた店舗を、流通科学大学出身のため、ご自身の後輩の皆さんに日替わりで体験経営をしていただく、それぞれその日によって出す商品が、オムライス、おだんごなど、いろいろ挑戦され、商店街の活性化をしていこう頑張っている事例があります。
  これも空き家のリノベーション補助、専門アドバイザーの派遣を利用されて実施されています。こういった空き家を、例えば子供食堂に利用しながらだとか、もっとその学生などの若者を呼び込むような仕掛けを展開していく必要もあるのではないか。
事例を基に、想定した効果、それからどのような形で支援したか発揮ができているのか建築住宅局としても把握しておく必要があるのではないか、支援補助を利用したところがどのようになっているのか―― 利用者のインタビュー、展望などをヒアリングし広報に活用すべきと考えるが、いかがか

○片野建築住宅局副局長 

すまいるネットが運営しております空家空地地域利用バンクでは、マッチングを行い、その後改修費補助等、いわゆるイニシャルコストを建築住宅局が持つ形、その後家賃補助を企画調整局が持っているような例もあり、既に取り組んでいる方への支援というのも、市を挙げてやっている状況。
  例えば昨年度、灘区で空き家を子供の居場所づくりに改修した事例があり、それはイニシャル部分の賃貸借のための仲介手数料、改修費などは建築住宅局で支援をし、その後の家賃を企画調整局が補助している事例もございます。
 平野商店街の事例は、本市の支援制度を利用しアドバイザー派遣等についても支援をさせていただいています。
  マッチングは空家空地地域利用バンクを通じてマッチングを行った上で、そのDIYで補修するときにアドバイザーを派遣し、建築士の方がアドバイスをしながらDIYをした。令和4年の3月にオープンした後、例えば神戸国際調理製菓専門学校の学生さんが、将来カフェを開きたいということで、定期的に出店を実施、流科大の学生が、いわゆるチャレンジショップ的に使われたとことで、非常に若者がチャレンジするきっかけの場となっている、そういう効果があると確認をいたしております。
 平野商店街の事例で御利用いただきましたリノベーション補助ですとかアドバイザー派遣というのは、空き家の活用に際して初期投資に係る資金ですとか専門知識にお乏しい方への支援をしておるもので、有効な活用事例につながっている、こういった先行事例の工夫とか成功したような事例の要因を取材し、広報として効果的に発信をして、若い世代の方が関われるような活用事例というのを広めてまいりたい。
  
(平野達司) 
 ぜひ広報に使っていただきたい、すまいるネットでも今既に活用事例が何件かあって、兵庫区でも2件入ってたと思います、サクセスストーリーがきれいに書いてあるんが、見た方にとっては、すごいことですが、結構ハードルが高めのイメージにも捉えてしまうのかなと思って、それはやっぱりしっかりやっていく方にはその事例としてはいいと思いますが、もう少し段階を、もう少しソフトな対応でもこの補助を使ってできますよっていう事例もあってもいいのではないか、ぜひ多種多様な広報、事例も踏まえてやっていただきたい。

では最後に、地域活動をする方の場所づくりについて御質問させていただきます。子供食堂だったり学習支援など、地域の活性化に意欲的に取り組んでいる方々は、例えばその子育て中のお母さんが中心になってされたりしていますが、、資金や専門知識を持たない普通の一般の市民の方が少なくはない。
  その方々にとって、活動拠点を確保するっていうのは本当になかなか厳しい状況で、その中で空き家であったり、あとは市営住宅の集会所、これを活用できれば双方にメリットあるんではないか。
今特に市営住宅の利用されてない集会所、現在、市営住宅コミュニティ活性化事業として、活用に向けて事業者を募集し締切りが終わったが、事業者からの反応がなく活用が進んでないケースもある。少子高齢化の課題解決のために募集はされているが、需要と供給のミスマッチが発生しているんじゃないか。利用ニーズを持っている地域団体に、空き家情報などをまた積極的に広報する取組や、物件の改装費。今回は完全に事業者負担になっていますが、物件の改装費を一部、若干ながらでも支援を行う形など、今までとは異なる視点で施策に取り組む必要があるのではないか。

○岸建築住宅局長 
 我々の認識は、地域福祉センター、NPOの拠点などをお使いされるケースが多いというふうに認識しております。ただ、御指摘いただきましたような空き家ですとか市営住宅の集会所を御利用いただいているというようなケースも、実例として出ているというのは事実。
  市営住宅の集会所も今、公募して運営者をお決めしている所。市営住宅の集会所で、入居者の共同福祉のための必要な施設という側面もございます。入居者による管理運営を前提としてますけれども、できないところで、その機能を担っていただきつつ、別の活動に使っていただいてもいいですよというような形にしておりますので、なかなか一般の利用したいという団体さんだけでは、少し、ちょっとハードルが高い側面があるのは事実かなと思っております。我々のほうも、令和4年1月よりモデル的に実施を始めたところで、令和4年度、今年度も募集回数を増やしていきたい思っておるところ。
  先ほどの利用の観点であれば、休所している集会所だけではなく、今実際に運営をしている集会所でも、使われていない時間帯が結構多くあるところもございますので、休止集会所の運営そのものもございますし、運営をしている集会所の活用も併せていろいろ、今後使っていただけるような情報提供を含めて考えていきたいと思っております。

(平野達司) 
ありがとうございます。
  キャナルタウン南でも、うまく子育て世代の皆さんが活用されているかというふうに思いますので、これも事例として展開いただければと思いますので、私からは以上でございます。ありがとうございました。

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