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2022-12-29

本会議場での一般質問(2022/12/06)

本会議に登壇し、一般質問をさせていただきました。

質疑項目は、以下の3点

1 子育て世帯や大学生を定住につなげる取り組みについて
2 ブルーカーボンの取り組みについて
  ①今後の展開について
  ②学生や研究者の参画について
3 神戸空港の国際化を見据えた施策展開について

最後にスマートシティの要望

当日の動画は、こちらです。↓

http://www.kensakusystem.jp/kobeshikai/video/R04/R041206-4.htm

【1】 子育て世帯や大学生を定住につなげる取り組みについて

○平野達司
  現在、神戸市は人口減少に直面しております。人口を増やすために三宮再整備や駅前リノベーションなどハード面と、そして子育てしやすいまちへのリノベーションとして、18歳までの切れ目のない子育て支援という観点から、ソフト施策の充実に取り組んできている状況です。私は、各エリアのハード面での魅力、そして子育てしやすい環境の魅力の2つに加え、地域の活動の魅力の3つを重ねることで、人口増加に寄与すると考えております。今回、子育て世帯や大学生を定住につなげる取組についてお伺いさせていただきます。
  神戸市は、昨年3月に、暮らしの情報サイト、こうべぐらしを開設し、さらには今年度から移住相談窓口に専門の相談員を配置するなど、移住促進に積極的に取り組んできておりますけども、転出超過は大きな課題であります。定住に関する取組を強化する必要性を私は感じております。
  神戸市は児童館の数やALTの配置人数が全国でも有数であり、高校生の通学定期券補助を独自に実施するなど、18歳までの切れ目のない支援という観点でも、様々な施策を行っているところは承知しておりますけども、子育て世代には十分浸透してないと感じております。神戸市ならではの強みを今後さらに打ち出していくことで、子育て世代の定住を図るべきと考えますが、見解をお願いいたします。

○久元喜造市長 
 最初に、子育て世帯や大学生を定住につなげる取組です。
 神戸市が行っている子育て支援施策や、あるいは大学生や様々な学生の皆さんに、神戸で定住をしていただき、また定住につながるように、神戸で様々な活動をしていくために、どういう情報発信をすればいいのか、あるいはどういうような形で参画につなげていくということができるのかということは、もう数年前から頭を悩ませてきたところです。なかなかそういう神戸市の施策の取組というものが届いていない、届きにくいということについては、頭を悩ませてきたところで、そういう模索の中でスタートしたのが、1つは神戸ママフレ部です。神戸ママフレ部の部員になっていただきまして、自分たちがよいと感じたスポットや遊び場をSNSで投稿いただいております。ママフレ部の公式インスタグラム、これは私も時々見ますけれども、4月から11月までで47万を超えるリーチ数がありました。昨年の同期間に比べると約4倍となっておりまして、神戸の子育て情報がこういう形で広く発信されているというふうに感じております。
  さらに今年度からは、子育て世代のフォロワーが多いインフルエンサー2名の方に、産後ケア事業や児童館などを、動画や写真で紹介していただいています。インフルエンサーの合計フォロー数は約8万人でありまして、実際にそれぞれの事業を利用したことがない方々にも届いているのではないかというふうに考えております。さらに今年度から広報戦略部に、デザイン、映像、文案作成などの専門スキルを持った6名の外部人材を配置をいたしました。広報戦略部の司令塔機能を強化し、広報スキルにたけた外部人材と職員が一緒になって、ターゲット、タイミング、内容や、媒体が最適になるような広報戦略を展開しているところです。
  例えば、高校生の通学定期補助につきましては、定期代が高額になりやすい方に周知するために、地下鉄西神・山手線や北神線、神戸電鉄の各駅でポスターやデジタルサイネージでの広報を展開をいたしました。高校生世代からその親世代もターゲットに入れたSNS広告、ツイッター、インスタグラムに出稿いたしまして、約11万人の方々に情報を提供することができたというふうに考えております。
  今後の方針ですけれども、まずウェブサイト、ママフレサイト、これの全面的な刷新を予定をしておりまして、新たなサイトでは、子供の年齢や支援ニーズから、本市の支援策をユーザー視点で、より探しやすくなるように構築を進め、子育て世代の皆さんが自分に合った行政サービスの情報を、これまで以上に入手しやすくなるような環境をつくっていきたいと思います。
  さらに、個々の施策のターゲットに合わせた広報として、サイネージやSNS広告など、様々な媒体を効果的に組み合わせて、対象となる方々に確実に届けることもできるよう、これまで以上に情報発信の強化にも努め、子育てに関する広報をさらに戦略的に展開し、子育て世代の定住につなげていきたいと存じます。平野議員の御提言をしっかりと受け止めまして、さらなる広報強化に努めていきたいと存じます。
  
○平野達司
子育て世代の定住の件ですが、昨年も出産から乳幼児の施策について一般質問をさせていただきました。今回は、先ほどママフレ部のお話であったり、インフルエンサーのお話がありましたけども、乳幼児、もしくはお子さんが小さいお母さん方に対しては、そこが有効と思いますが、私は、18歳までの切れ目のない子育て支援を、もっと充実させ、広報も充実させていかないと思ってます。特に小学生の高学年ぐらいから、中学生、高校生をしっかりと広報していく必要があると思っています。
  その中で、神戸の強みを、もっと伝えていく必要がある。児童館、神戸は本当に全国トップクラスで、121か所ある、これはすばらしいことだと思ってます。神戸に生まれて神戸に育ってくると、児童館があるのが当たり前だと思ってしまってる。例えば、神戸から今、転出超過が多い明石であったり西宮であれば、明石はゼロか所ですね。西宮には9か所しかないという状況です。ですので、当たり前と思っていることを、やっぱりメリットだということを伝えていく必要は、私はすごくあるのではないか。
  それから、教育委員会がつい先日も対応されたALT。これもかなりの人数を用意されておられて、神戸市は208名、対象校が245校。明石であれば18名、学校数は43校。西宮市は19名、学校数は63校。これ比較しても圧倒的にALTの数が用意できていると思います。特にまた小学校1年生から実施しているのも神戸としての魅力だと思います。
  すこし、脱線しますが、長田教育長、ALTをもっと活用いただきたいと思います。子供たちが学んだ英語を、ぜひALTに伝えて、伝わるかどうかというところをもっとやっていただきたく、伝われば子供たちも、伝わるんだということで、勉強の意欲につながってくると思いますので、まだ配置しただけではよくないので、もっと活用いただきたいというふうに思います。
  お話は戻りますけども、その児童館であったりALTだったり、やっぱりそれをもっと子育て世代、また年齢層が少し、子供の年齢層が高い方々にも伝えていただきたい。

  また、高校生の通学の定期券補助ですね。先ほど、西神中央の方々にとお話がありましたけども、対象になりそうな方だけ周知しても、そういう制度が対象にならない方にも、そういう制度を神戸市としてやってるんだということは、強くお伝えいただきたいと思います。神戸市内でも、当然、転居する方もおられるかもしれませんが、神戸はそういうことも取り組んでいるんだということを意識いただくということも、定住につながると思います。その方のお知り合いが、もしかしたら対象になっている方かもしれないですし、そういったところをしっかりとやっていただきたいと思います。
  子育て世代とお話をしてましたら、自分のお子さんの年齢の補助対象のところしか、意識が行かないんですね。お子さんのお母さん方、お父さん方というのは。やっぱり18歳まで、こんだけ神戸としてはあるんだよということを、しっかりと一連でやっぱりお伝えいただけないかなというふうに思います。
  そこで、私から要望を1点お伝えしたいと思います。今お話ししたようなメリット以外に、神戸市の強みとして、地下鉄、バスは市営で交通機関として充実している、赤字で今厳しい状況ではありますが、別の見方を見ますと、私はすごい強みだと思ってます。ただ、中学生、高校生の御家庭にとっては、この交通費が家計負担としてのしかかってます。中学生になると、子供料金から大人料金に料金が変わってしまいます。部活動で学校のグラウンドが狭いので、毎回相手校に通っていかないといけないという児童・生徒もおられます。また、当然ながら拠点校部活制度も利用されている方もおられると思います。そのときに、市営地下鉄や市バスにおいて、中学生や高校生の学生料金の設定だったり、もしくは交通費の補助など、そのような形を神戸市ならではの強みを生かして、切れ目のない子育て支援策というのを検討いただきたいと思いますので、これは要望とさせていただきます。
  今、いろいろな都市で人口減少、また少子・高齢化ということで、各都市が比較的乳幼児施策の競争が激しいと私は感じてます。でも、子育てにおいて、中学生、高校生、大学生、年齢が上がっていけばいくほど家計負担は上がってきますので、そこを神戸市として踏まえ、周知であったり、支援というを進めていただきたいと思いますので、これはしっかりお願いしたいと思います。
  
そこで、今、お話しさせていただいたことから大学生に視点を移して、KOBE学生地域貢献スクラムの拡充として、質問させていただきたい。
今、神戸には大学がたくさんあります。卒業後は市外に就職する学生が8割以上、大学卒業時の転出超過は本当に大きい。これも問題だと思ってます。産学官の連携の下に、地域課題を解決して、新しい価値を創出することを目的に、地域連携プラットフォームの検討が進められていると聞いておりますが、実効を伴った取組が私は大切だと思います。
  神戸ではKOBE学生地域貢献スクラムを立ち上げて、地域の交流イベントに協力する動きもあると聞いてますけども、この取組に学生をもっと巻き込んでいけないかなと。単なるアルバイトとは異なって、イベントを通じて自分の住むまちを知って、課題解決に向けた取組に一端を担うことで、神戸に愛着を持って定住につなげることが期待できるのではと思ってます。KOBE学生地域貢献スクラムの取組をより一層充実していただきたいと思いますが、御見解をお伺いできますでしょうか。
 
○久元市長
KOBE学生地域貢献スクラムは、大学生など学生の皆さんに参画をしていただきたいという、そういう取組を求めるNPOや地域団体が、こういうことをやってるので、ぜひ学生の皆さんに参加してほしいという、そういう提案をネット上に出して、そしてこれに学生の皆さんが応募するという、要はマッチングの仕組みですね。これはコロナでアルバイト先が減っているということも勘案をしてこれは一種の有償ボランティアのような形で実施をしてきました。かなりこれは効果が上がったと考えておりまして、この2年間で里山再生とか、高齢者のICT支援、地域交流イベントなど100を超える多様なプロジェクトに、延べ約2,100名の学生の皆さんが参加しました。
  ただ、この数字を見れば、これ決して十分ではないだろうというふうに思います。それから、この地域貢献スクラムのサイトを見ましても、アクセス数が極めて少ないという状況です。そもそもこれはコロナ禍の中でのアルバイトの減収ということに対応するということを考えれば、今の状況を見れば、今のこの学生地域貢献スクラムは、一応今年度で、今の形では終了することとして、この学生に参加するというそういう目的を、平野議員から御指摘がありましたように、より効果的に、もっともっとたくさんの学生の皆さんに参加していただくような仕組みがないだろうかということを、今、企画調整局を中心に検討しておりまして、来年度予算の中でこれをぜひ具体化させていきたいというふうに思っております。そういう趣旨に沿って、この一種のスクラム、どういう名前になるのか今検討中ですけれども、事業主体をどうするのか、現在この3月からの連携促進や、新しい関係性の構築を、意欲のある市内大学や企業と共に、地域連携プラットフォームという形で構築できないかという検討を進めておりまして、この事業主体をこのプラットフォームにするのがいいのか、神戸市が担うのがいいのか、あるいはほかの方法がないのか、こういうことを検討して、御指摘をしっかり踏まえまして、よりたくさんの学生の皆さんに参画できるような、そういう仕組みを新年度にしっかりと構築をしていくというふうに考えております。

○平野達司
 ありがとうございます。新しい取組をとっていただけるということで、大変ありがたいと思います。実際に私もつい最近に、東山商店街さんから、年末のイベントで、学生など若い活力、支援をいただけないのかと御相談をいただきました。ですので、同様のことがほかの地域でも担い手不足、要するに高齢化になって、そういう課題があって、若い活力を求めている地域も多いと思います。今、新しい名前がちょっとまだ分からないところですけど、一旦、KOBE学生地域貢献スクラムというお話をさせていただきますが、その取組で、今は支援金というのを神戸市が出してますけども、その支援金は地元が負担するという形で、仕組みを取り入れることも可能ではかなというふうに思いますけども、ぜひそれを取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  
○小原副市長。
今新しい学生とのマッチングの仕組みを考えているということでございますが、現状の今の学生の地域貢献スクラムの利用者の方のアンケートの状況を見ますと、やはり学生側のほうについては、非常に喜ばれている。それから、利用されているNPO、地域団体についても、活動については満足いただいてるんですけども、なかなか費用負担の分までということになると、尻込みをされるというのが実情だと考えております。
  とはいいながら、今御指摘いただきましたとおり、持続可能な取組としていくためには、やはり外部の財源といいますか、これをどっから捻出していくかという視点は非常に重要だと考えております。先ほど申し上げました産官学共創のこのプラットフォーム、こういった分の中には、当然、学生とそれから各種団体もあるわけですけども、企業の参画等も得る形で、いろんな負担の在り方も含めて、鋭意研究してまいりたいと考えております。
 
○平野達司
先ほどの東山商店街さんの件の場合は、私が属人的に流通科学大学で商店街のマーケティングを勉強されている教授にお話をさせていただいて、教授がゼミ生を派遣をしていただきました。それで商店街とも大学とつながりました。これはあくまで属人的な形になるので、できれば大学にそういうふうな活動をした教授を評価していただく、もしくは若い教授さんが、そういう形が動きやすいように評価していただく仕組みというのを、大学のほうにも協力してもらうような対応を、ぜひしていただきたいと思いますので、併せてちょっとお願い申し上げます。
  そこで、さらに質問ですが、今のように地域社会が抱える課題は、本当に多様化して複雑化してるいますが、解決に向けて自治体や企業がそれぞれ単独で解決するのではなく、個性豊かな高等教育機関が多く存在する神戸の優位性を生かせることから、先ほどの、一旦、KOBE学生地域貢献スクラムとお話をしますけども、そこでさらに地元企業を巻き込んでいくことはできないかなと。学生にとっては、インターンシップよりも敷居が低くて、自分のふだんの姿も参加して企業を知ることもできますし、加えて、企業も気軽に学生と接することができますので、市内の就職の促進に寄与するのではないか思いますが、いかがでしょうか。
 
○小原副市長。
現在、神戸市のいろんな施策を大学生をターゲットにして展開する場合について、いろんな広報をいろいろ工夫しているわけですけども、例えば市内銭湯への大学生割引など、こういった分の発信については、なかなか一元的な対応はとれてないわけでございます。そうした中で、今回、対象学生、効果的な情報発信ができるということが、どういうことができるかということで、現在、神戸で学び暮らす学生の皆さん向けの様々な情報配信やサービスを提供する、その一元化のウェブ、これを学生共創コミュニティネットワークツールと申しておりますけども、この構築を進めているところでございます。こういったネットワークツールの中に、御指摘いただきました地元の企業、事業者の方も参画いただく形で、例えば地元企業による美化活動などのプロジェクトにマッチング機能を生かして、マッチング機能を生かすでありますとか、地域の商業施設で使えるクーポンの配付を通じて、地元企業と学生との接点を創出していく、こういったことが可能ではないかなと考えているところでございます。
  それから、先ほども申し上げておりますとおり、地域連携プラットフォーム、これからいろいろ検討を進めてまいるわけでございますが、その中で、御指摘いただきましたとおり、学生の人材育成、また地元での定着に問題意識を持つ地元企業にも参画いただく形で、地元企業と学生、大学との敷居を下げて、気軽な出会いの機会を創出し、若年者の市内定着につながるような事業も、併せて検討してまいりたいと考えております。
  
○平野達司
ぜひ、企業と学生との接点を増やせるようにしていただきたいと思います
  次の質問に若干、絡んでくるのですが、兵庫運河の北側に、デンソーテンという会社がありまして、先日、その社長さんが、ブルーカーボンの取組のテレビをどうも見られたようなんです。この取組すばらしいと。こういうのできないのかと社員の方にお話をされたら、社員が調べられて、すぐ裏でアサリの実証実験などされていますよと報告が社長にお話が上がって、何でもっとそれを早く教えてくれなかったんだというお話になり、デンソーテンさんが兵庫区役所にお問合せをされ、兵庫区役所と一緒にデンソーテンさんが兵庫運河の取組をしている兵庫漁業協同組合にお邪魔をされました。これから一緒に活動していきましょうとお話になったんですけども。要するに、ここに例えば学生がまた入ってくると、企業さんと地元と学生とコラボできますし、先ほどもお話あった、兵庫運河を美しくする会も、いろんな企業さんが来られてます。社長さんだったり、会長さんだったり。でも、清掃の格好をしてますので、見た目は全然分からないんですね。そこに学生さんがふだんのように接してすることによって、地元企業の違う面というのも見れてくると思います。そういったことを進めていただきたいと思います。そうすることによって、地元企業への愛着も湧いて、地元就職、また定住にもつながると考えてますので、意欲の高い企業だったり、大学の教授、学生の接点を、ぜひ神戸市内でも持続可能な具体的な事案として、いろんなところで増やしていただきたいと。そして、それに地元の経済界を巻き込んで取り組んでいただきたいと思いますので、引き続きお願いいたします。

【2 】ブルーカーボンの取り組みについて
  ①今後の展開について

〇平野達司
 二酸化炭素の吸収源として海藻などを活用するブルーカーボンの取組が、新たな地球温暖化対策として注目されており、国においてブルーカーボンを貨幣換算したものを、Jブルークレジットとして認証し、CO2削減を目指す企業とクレジット取引を行うブルーカーボンオフセット制度が進められています。神戸市でも、昨年の12月に、地域が主体となって活動しております兵庫運河で、その取組がクレジットとして認められ、今後、神戸空港島の取組なども認証を目指すと聞いております。
  ブルーカーボンの取組を進める手段として、認証を目指すことは大変よいことですが、目的になってしまうと本末転倒です。ブルーカーボンの取組を進める先に何を目指すのか。また、クレジットを集めて何に使うのか、明確なビジョンを持って取り組むことが重要と考えます。ブルーカーボンの取組の今後の展開についてどのように考えるのかお伺いいたします。
  
○今西副市長。
ブルーカーボンの取組の今後の展開ということでございます。
  神戸市のブルーカーボンの取組でございますけれども、2050年カーボンニュートラルを目指します温暖化対策実行計画におきましても、重要な施策として位置づけているところでございまして、脱炭素だけではなく、藻場の造成などの水産資源の確保、生物多様性の保全、環境教育など、様々なメリットがあるというふうに考えているところでございます
  その推進のための手段でございます、このブルーカーボンオフセット制度でございますけれども、このブルーカーボンで得られますCO2の吸収、固定量を定量化して、取引可能なクレジットにするものでございます。これによりまして、クレジットの申請者はクレジット売却益によって、活動資金面の支援が得られますほか、活動の認知度の向上が見込めるわけでございます。また、クレジットの購入者は、CO2削減のほか、温暖化対策のPR効果が期待できるといったことなど、環境と経済の好循環を生み出す仕組みだというふうに理解をしているところでございます。
  兵庫運河のブルーカーボンでございますけれども、国の設立の認可を受けましたジャパンブルーエコノミー技術研究組合、一般的にJBEと言われておりますけれども、そのJBEによりますブルーカーボンオフセット制度で、兵庫漁協、兵庫運河を美しくする会、浜山小学校、兵庫・水辺ネットワークが、西日本初のクレジット認証を受け、民間企業16社が購入をしたものでございます。また、神戸空港島の傾斜護岸などのブルーカーボンにつきましては、本年10月、神戸市におきましてクレジット認証の申請を行ったところでございます。クレジットが認証され、本市に生じる売却益に関しましては、脱炭素化に向けた取組の一環として、民間団体によるブルーカーボンの保全、創出活動に対する支援などに活用していく予定でございます。このブルーカーボンの取組は、CO2吸収以外にも藻場の造成などの水産資源の確保など、様々なメリットがあることから、クレジット認証も有効に活用して、積極的に事業を進めてまいりたいと考えてございます。

○平野達司
藻場の保全だったり、そういうことにもクレジット費用を賄っていただけるということで、ぜひ進めていただきたい思います。
  私は、脱炭素だけじゃなくて、これをきっかけに人が集まる仕組みがつくれるのではないかと私は思ってます。兵庫運河の取組でも、私はまだ浅いですが、4年間お邪魔させていただいたら、人のつながりを経験し、様々な企業が来られ、行政と学生ともつながってきました。阪神高速道路の方も兵庫運河の24時間調査のときに来られたので子供たちに建設現場を見せてあげたいと私からお話をさせていただいたところ、全面的に協力をいただいて、実は今週、浜山小学校の5年生に、長田の駒ヶ林の阪神高速道路の見学を実施する運びとなりました。こういう形で人が集うことにより、新たなことが発見できると思いますので、環境問題を意識する学生も、多くの問合せもたくさんいただいていますので、そうやって増えてくると思います。そういう方々を交えて、最終的には、全国アマモサミットを神戸で実施するところまで持っていけれないかと思ってますので、ぜひお願いしたいと思います。

②ブルーカーボンの学生や研究者の参画について


○平野達司
  神戸市においても、空港島また須磨海岸周辺でも環境整備を進める一方で、兵庫運河では地域の漁業関係者や小学校が主体となり、藻場、また干潟の保全に取り組んでおります。来年度末で国土交通省の研究調査が終了すると聞いておりますけども、さらに地元の大学生や高校生、そして若手の研究者と積極的に連携し、子供たちの環境意識向上のための教育を進めるなど、持続可能な取組とするための下支えを行うべきと考えております。
  神戸市では、大学発アーバンイノベーション神戸などの取組を実施したり、学生団体、リコラボと連携してブルーカーボンの取組に参加していただいていることは十分承知しておりますが、今後さらに学生や研究者を巻き込み、ブルーカーボンの取組を支援していくべきと考えますけども、見解をお願いいたします。

○今西副市長
兵庫運河での学生、研究者を巻き込んだブルーカーボンの取組を、やはり支援していくべきだという点でございます。この兵庫運河では、国土交通省が大阪湾岸道路西伸部における湾岸工事におきまして、防波堤撤去などから発生する石、砂、コンクリートブロックなどを有効に活用しまして、兵庫運河に干潟を創出しましたほか、本市におきましては、きらきらビーチといったものを整備をさせていただいているところでございます。そして、この場所では、大学の専門家が、地元の漁協、住民、企業、学校、NPOに働きかけて、里海づくりの一環としてアマモを植えまして、浅場造成の効果を確認するための生物調査などが積極的に行われているということでございます。このブルーカーボンの取組への支援でございますけれども、兵庫運河、そして須磨海岸でも、今年度より創設をいたしましたKOBEゼロカーボン支援補助金の制度を活用いただいているとこでございますけれども、今後もこのような制度を通じまして、ブルーカーボンの取組を継続できるように、支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます
  こういったこと以外にも、兵庫運河のきらきらビーチなど、ブルーカーボンの取組の場となる浅場の維持―― これ砂を補充させていただいておりますし、また安心して活動してもらうためには、水上バイクの運行規制といったものの取組も重要だというふうに思ってございまして、そういった活動も継続をしてまいりたいと考えてございます。また、市民団体、学生、漁協等が連携して、アマモ植栽や生物調査などの環境学習イベントを実施しておりまして、こういった多くの市民が参加できる取組も行っていきますとともに、クリーンセンターなどの環境教育拠点施設やホームページに、ブルーカーボンの説明、掲載内容の拡充をさせていただきまして、その意義をさらに多くの市民に伝えていきたいというふうに考えてございます。今後ともブルーカーボンの取組を、より積極的に進めてまいりたいと考えてございます。

○平野達司
兵庫漁業さんのほうにも、神戸市外の多くの高校生からすごく問合せを頂いてます。どういった活動をしてるんですかとか、環境問題に本当に意識が高く、さらに私にも、市長の後輩でもあります灘高校生からも御連絡をいただきました。テレビ会議で、実際に取組の内容をお話しさせていただいて、わざわざ兵庫運河まで、足を運んでくれました。学生は本当に環境問題に意識が高く、そして先ほどのように企業もすごく意識が私は高いと思ってます。
  そこで今、神戸空港島の周辺でもブルーカーボンの調査を神戸市が実施していると思いますが、これは市民や地元企業は関わっていません。そこで、藻場形成がされているハーバーランドの跳ね橋の付近だったり、メリケンパークの南側だったり、神戸空港島の西側護岸のラグーンだったり、第1突堤、第2突堤の間だったり、市民の身近な所でその取組を進めるとともに、環境問題に取り組みたい学生を募集して、環境意識の高い企業に、幅広く参加してもらう仕組みが必要ではないかと思いますがいかがでしょうか。
 
○油井副市長。
 空港島のブルーカーボンの創出に関してなんですけれども、先ほど答弁の中で、10月に申請ということで答弁させていただいたと思っておりますけれども、これについては本年11月にJブルークレジットの認証機関からクレジットの認証を終えたところでございます。それで、ポートアイランドや空港島に立地、また進出を検討している複数の企業から、本取組に高い関心を寄せていただいておりまして、兵庫運河の事例と同様に、地元で活動する企業を中心にクレジットを御購入いただくことで、脱炭素化へ向けた意識の醸成とともに、ブルーカーボンの生態系の保全、創出活動などにも連携して取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  また、今年度は空港島やポートアイランド、メリケンパークなど、市民がより身近にブルーカーボンに取り組める海域におきまして、藻場の生育調査を予定してございます。さらにはその新港突堤地区では、環境学習の場としての活動に加えまして、ブルーカーボン創出を見据えた新たな親水空間の導入を検討しているところでございます。議員御指摘のように、本取組をさらに推進するには、市民や企業との連携した取組が重要と認識をしてございます。今後、クレジットを売却して得られた資金は、民間団体や企業などのブルーカーボンの保全、創出活動への支援に活用を予定してございます。
  また、ブルーカーボンの活動を学生や市民の方に知っていただくための動画制作を今進めておりまして、SNSを含めた様々な手段で広く発信するほか、大学の講義で取り上げていただくように働きかけを行うなど、多くの学生がさらに関心を持っていただき、身近な活動の場での取組に、積極的に参加していただけるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。
  
○平野達司
 ありがとうございます。ぜひそれを進めていただいたら、水質改善につながってくると思います。水質改善につながってくると、今、神戸港は国際港湾というイメージが、あまりにも強いですので、豊かな海も兼ね備えていることを、ぜひアピールをしていただきたい。そうすることにより、水産資源の地産地消だったり、観光にもつなげれると思います。ブルーカーボンのきっかけで市内経済の活性化や観光への展開を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○今西副市長
ブルーカーボンを含めましたSDGsの観点は、神戸経済の競争力アップ、あるいは企業のブランド化、インバウンドの誘客にもつながる大変重要な視点であるというふうに考えてございます。特に観光分野におきましては、世界的にSDGsへの関心の高まりというものが、非常に踏まえてございまして、豊かな自然を生かした体験型コンテンツが大変重要でございます。
  神戸では、漁船から神戸夜明けのシラス漁見学をして、海の豊かさを体感できる、そういったコンテンツの造成も進めているところでございます。また、教育旅行の誘致におきましても、SDGsの取組の事例を学びたいといった声が大きいということから、こうべ再生リン、そして企業のSDGs関連施設の見学を含むプログラムの造成も進めているところでございます。SDGsに関する取組を推進して、神戸経済の活性化、観光施策の充実につなげてまいりたいと考えてございます。

○平野達司 
ありがとうございます。等深線10メートル以内というのが、海のゆりかごと呼ばれてます。藻場が形成されれば、小魚も集まってくる、それを見れば、人が集まってくるという形になってきますので、ぜひそういった部分を進めていただきたいと思いますし、栽培漁業センターでアマモの種を育成することをチャレンジいただいていますので、条件がそろいつつあると思ってます。ですので、神戸の水産物がそれにより地産地消につながってくると思います。例えばですが、スケルトンの観光船を流すだとか、いかだカフェを置くなど、こういった形でも観光だったり、人を集めることもできるのでは、ないかと思ってますので、それによって人口増加にもつなげられると思いますので、そういったところにもチャレンジいただければと思います。

【3】神戸空港の国際化を見据えた施策展開について

〇平野達司
神戸空港の国際化が合意されたことにより、今後、神戸空港における海外からのプライベートジェットのさらなる受入れが期待されます。大阪・関西万博をはじめ、国内外からも多くの人を迎えるイベントが控える中、神戸空港としても医療産業都市を含めた地元進出企業のビジネス機会の創出、拡大、そしてMICEなどの国際イベントの誘致、ウオーターフロントなどをはじめとする観光誘客など、神戸経済にはさらには関西経済の活性化の観点から、2025年の国際化の取組と併せて、プライベートジェットの誘致を一層強力に進めるべきと考えますけども、見解をお願いいたします。
  
○久元市長
神戸空港の国際化を見据えたプライベートジェットの受入れ対応につきましてお答えを申し上げます。
  プライベートジェットの受入れにつきましては、2025年の大阪・関西万博をはじめとした大きなイベントが控える中、今年9月に開催されました関西3空港懇談会におきましても、新型コロナウイルスの影響により利用は低迷しているが、将来需要は旺盛と考えられ、一層の取組が必要とされるなど、今後の拡大が見込まれます。そこで、この10月から11月にかけまして、サウンディング型市場調査を実施をいたしました。様々な御意見いただきましたけれども、その中には、このプライベートジェットの受入れを推進するためには、専用の格納庫や駐機場、旅客施設などが必要で、海外ではこれらの運営と機体の整備、保管や運航支援などのサービスを一体的に提供するサービスが展開されている。日本では、こういうサービスを実施している空港はなく、神戸の空港島で滑走路に面する施設を整備し、サービスを提供することができれば、大きな需要を取り込むことができるというような御意見もいただきました。
  このような御意見を踏まえまして、今後、空港島において、格納庫や駐機場、旅客施設などのプライベートジェット専用施設を整備、運営いたしまして、運航支援などのサービスを一体的に提供できる事業者を誘致をしたいと考えております。年度内には公募手続を進めていきたいと存じます。
  
○平野達司
 サウンディング調査も実施いただいたということで、いろいろと前向きな期待が持てる答弁が多いと思いました。プライベートジェットの専用の駐機場も実際に運営事業者を公募するということで、ぜひ進めていただきたいと思います。
  このタイミングで、私は神戸空港の国際化は医療産業都市においても、海外でPRできる絶好の機会だと思ってますので、この国際化を契機に、これまで培ってきた海外企業や海外のクラスターとのネットワークや、進出企業を開拓している販路も活用しながら、進出企業の海外展開の支援や、海外からのスタートアップ企業の誘致だったり、積極的にそういったことを取り組むことが重要だと考えますけども、神戸空港の国際化を見据えた、医療産業都市の今後の展開についてお伺いできますでしょうか。
  
○今西副市長
 この神戸空港の国際化は、医療産業都市にとっても大変大きなチャンスであるというふうに考えているところでございます。今後、神戸医療産業都市のこの海外展開ということにおきましては、まず1つは海外企業の誘致も含め、神戸医療産業都市がアジアの拠点になるということを目指したいというふうに思ってございます。
  そして、2点目としては、シンガポールやタイをはじめといたしました東南アジアの国々などをターゲットといたしまして、地元企業の海外向けの市場や販路の拡大を積極的に支援をしてまいりたいと考えてございます。
  そしてまた国際医療交流の充実といったものも積極的に進めさせていただきたいと思っているところでございます。こういったことに向けた様々な施策を積極的に展開をさせていただきまして、神戸医療産業都市の発展、さらには神戸経済の活性化が図られるように取り組んでまいりたいと考えてございます。

○平野達司 
医療産業都市に進出してる企業の中でも、既にマレーシアにも進出し、ビジネスを広げているところもあります。ベトナム、フィリピン、UAE、そういったところにも取引拡大予定だと聞いておりますので、海外では、国によって病気だったり、死亡原因がいろいろ異なってきます。新しい医療機器は、現地の人は使い方が分からないということも多くあり、今の進出できている企業の販路拡大に一緒に伴って、今の神戸の医療産業都市の企業の中で、知識、経験を持っているところが、ぜひ横展開をしていただきたいと思います。それによろ医療産業都市の企業が雇用も拡大できれば、人口増加に寄与すると思いますので、引き続き取り組んでいただきたいと思います。

最後にスマートシティの要望

〇平野達司
冒頭申し上げた三宮再整備のハードの施策、切れ目のない子育て支援のソフト施策、そして地域活動の魅力の3つを重ねるためには、ICTを活用したイノベーションが重要だと思ってます。各都市でスマートシティーを推進する動きが高まる中、神戸市でも今年の3月に地域の課題解決と地域コミュニティーの再構築を目的に、KOBEスマートシティ推進コンソーシアムを立ち上げて、大手から地元企業までの多数の企業が参加しています。一方で、神戸市では令和元年度より、最先端技術やデータを有する事業者から提案を募集し、市内で技術実証実験を支援するBe Smart KOBEのプロジェクトを実施していますけども、今後、両者の連携をさらに深めて、併せて地元企業の活用を進めるべきと考えますので、各局の連携についても、より一層強化していただいて、さらにスマートシティーが市民の身近なものになり、具体的な成果が見えてくるものとなるように、取組を前に進めていただきたいことを最後に要望して、私からの質問を終わらさせていただきます。

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